余薫記

University Student in Kyoto

【読書】吉野雄輔・秋月菜央 著『Heart Blue ー幸せを手にする秘訣』(経済界, 2005年)

雑貨屋さんに置いてある本は、あまりメジャーではないマイナーな部類のものが多いように感じる。でもそこがいいところ。普段なら見つけられないような面白いものが沢山あって、私は結構好きだったりする。


暑い夏の日々だけど、詩集を片手にカフェで一息をつくときは至福の時間だ。太陽の日差しと透き通る水が綺麗で、海に行きたくなる一冊。


Heart Blue―幸せを手にする秘訣 (RYU SELECTION)

Heart Blue―幸せを手にする秘訣 (RYU SELECTION)


吉野雄輔さんがカメラマンで、秋月菜央さんが詩を書かれている本書。モルディブミクロネシアサイパン、バリ、スリランカ、小笠原、西オーストラリアなどの碧い世界が美しい。


物事を本当に知りたいなら、多角的に見てみるものだ。水でさえも内と外では景色が随分違う。太陽は水面に反射すると眩しくて目も開けていられないけど、水中から見てみるとすごく綺麗なんだよ。小学生時代、プールで鼻をつまみながら水中に潜り、よく空を見上げていた。水面を通して見える光や空の青さがなんとも素敵で、その幻想的な世界観に心躍らされていたのを思い出す。


自由な海を思わせる写真の数々に、あの時の世界が脳裏に蘇った。ゆったりと泳ぐ魚たちにも癒される。南国の魚たちは毎日こんな綺麗な景色を見ているのか、と思うと少し羨ましくも感じた。




秋月菜央さんが織り成す、詩の世界観もいい。
日常の些細な感情に寄り添うような感じ。さらに綺麗な海の写真の効果も相まって、壮大な地球に生きている事を感じる。狭い水槽の中では見えない、海の広さや青さがある。本書にある「2億5千万年後には」という詩が特にお気に入りなので、一部引用しつつ紹介しよう。

大きな地球の悠久の時の
小さな呼吸のひとつとなって


2億5千万年後の人類に想いを馳せた、最後の一文。これが特に好き。地球がひとつの巨大大陸だった頃、世界地図にあるような並びになったこと、そして今も大陸は動き続けているという描写は、人生と同じくこの壮大な地球も無常であることを感じさせられた。全ては変化し続ける。始まりがあれば終わりがある。出会いがあれば別れがある。それならばいつかは、人類が海の藻屑となる日も来るのだろうか。



「永遠など存在しない」といえば聞こえは悪い。
でもいつか消えてしまう儚いものだからこそ、一瞬の今に尊さを感じる。
ただ闇雲に毎日を過ごすより、四季の花鳥風月を楽しみたい。この世界をもっと知りたい。あらゆる些細な変化に気付けるようになれたら、毎日もより一層楽しくなるんじゃないかな。まだ浅はかな知識しか持ち得ていないけど、日々を楽しめるよう更に見聞を広めていきたいと切に思う。

咲き遅れたって 焦ることはない
遅咲きは大輪が多いし
枯れるのだって遅い
ゆっくり待とう
花と運は 必ずいつかは
開くものだから
(「咲かない花はない」より一部引用)



大丈夫、きっと。